著者:シオドア・スタージョン
翻訳:永井淳
出版社:早川書房
長い間積んでいたが、昨年新訳版が出てしまったので慌てて読む。
久しぶりのスタージョンはやっぱりスタージョンだ。当たり前だ。
「人間以上」同様、特殊能力と人間関係の描き方が独特で
ストレートに理解することが難しいが、
読み進めるに従いその奇妙な世界観が沁み込んできて目が離せなくなる。
何とも愛おしい気持ちが湧いてくる。
そうそう、これがスタージョンなんだな。きっと。
スタージョンの独特な愛情表現には翻弄もさせられるが、
生き物としての水晶を通して映し出す人間の本質を見せつけられているようだった。
新訳版だともう少し分かり易くなっているのかもしれないが、
いやいや十分堪能できた。
もう少し早く読んでおけば良かったと思える作品だった。
そしてそろそろ「人間以上」の再読もしたい。。早いうちに。