吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

虎よ、虎よ!

著者:アルフレッド・ベスター
翻訳:中田耕治


ようやく積んでいたSF古典作品を読む。
「破壊された男」でも感じたがアメコミの脚本を書いていたこともあるためかアメコミっぽい。
目まぐるしい展開の復讐劇で、粗暴な主人公の性格を含める変転が激しい。
ぐいぐい読ませるが登場人物たちの感情がガチャガチャしていて敵になったり好きになったり追いつけず、どの人物にも感情移入できない。
しかし1950年代にこれだけのアイデアが詰め込まれたパワフルな作品がその後の数々の作品に影響したことは理解できる。

 

テレポーテーションを駆使できる時代は確かに根本的に世界を激変させるでしょうね。
奇想コレクションの短編集でも様々な能力や核物質が重要なアイテムにはなっていたが切れ味は短編のほうが格段にいい。(あまり覚えていないが)
石ノ森章太郎の作品「サイボーグ009」等にも影響を与えたとあるが、シオドア・スタージョンの「人間以上」のほうが「サイボーグ009」を連想したのだが。
いずれにしてもこれらの作品が日本のアニメ等にも影響を与えたのでしょう。
今となっては粗さを感じる作品だが、名作としていまだに読み継がれるのも十分わかります。
さて、次はどの古典を読みましょうかね。


2019/8/22読了