吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

【か行】の作家

目撃者-近藤紘一全軌跡1971~1986 --近藤紘一

近藤紘一さんは、残念ながらずいぶん前に若くして亡くなられているのですが、特派員として生きていた時、奥様の自殺をきっかけにベトナムという戦場を駆け巡るようになり、ベトナムの歴史を目に刻みながらベトナムで生活した人です。この本は一周忌に出版さ…

怪物がめざめる夜 --小林信彦

小林信彦の作品との出会いはとても古い。人生で一番最初にはまった作家だと思う。子供のころ夢中で読んだ「オヨヨ」シリーズは、残念ながら手元に見当たらない。友達から借りたのか、図書館で借りたのか、今では記憶が定かではないが、軽妙な展開がとても魅…

ゲルニカ1984年 --栗本薫

栗本薫の作品はずいぶん前に数冊読んだけど、なぜかSFは一冊も読んでいない。この作品はいったいどんな分野に振り分けていいものか難しいが、読んだ後になんともいえない気分になったことを覚えている。表面的には平和な日本が実は世界大戦の只中にいて、誰…

CF愚連隊 --喜多嶋隆

昔の話だけど、CM制作業界にいたことがあって、そのころに読んだ本で思い出深い作品です。登場人物たちの自由さや、一瞬にかけるプロフェッショナルな仕事ぶりは憧れだった。実際はこんなカッコイイ仕事ではないけど、こうでありたい、という気持ちは持って…

ラジオが泣いた夜 --片岡義男

本作は短編集で、内容だけではなく、題名が一番好きだなという感じでセレクトしました。話しのどこかでラジオがキーポイントになっている。乾いた印象の文体というか言い回しというか、独特の雰囲気がある。片岡義男の作品を読んでいたときに浮かぶイメージ…