吉祥読本

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チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 --塩野七生

まずは、題名がいいよねって思っているのですが・・・
昔の話しで恐縮ですが(というか昔の話ばかりしてますが)、中学生のときって
「中三時代」「中三コース」とかの本があったでしょ?
今もあるのか知らないけど。
何年生だったか覚えてないし、題名も忘れたけど「ボルジア家」の兄妹を描いた
漫画(少女漫画風)が連載されていたんですよね。
美しい妹のまわりにいる男たちを兄が次々と葬り去るっていうストーリー(乱暴な説明でスイマセン)。
でも、ボルジア家が実在するのは当時知らなかった。
書店でこの本を見たときには、あの話しの原作に違いないと思ったんだけど
実際はどうなのでしょうか。

これはイタリア、ルネサンスの頃のはなしです。
マキャヴェリの「君主論」はチェーザレ・ボルジアがモデルとなっているらしいので
ある意味理想的な支配者に見られる一面もあったのだろうが、かなり悪名も高い。
残虐な人物というイメージを中学生時代に持っていたのだが(知らなかったくせに!)、
本書ではかなり好意的に書いている。
残虐なことしてたことは確かなのですが。

いずれにせよ、このあたりの歴史をざっと知るには面白い内容でした。
淡々と歴史の資料を読むより、ストーリー化して見せられると理解しやすいしね。

塩野七生はボルジア家をかなり好意的に魅力的にチェーザレを描いていたので、
本当のところはどうなのだろうと思ってはいました。
たまたま数年後に見つけたマリオン・ジョンソンという人の著書「ボルジア家」を読んでみました。
何でもそうだけど、物事はいろんな観点にたってみないとね。ホントのことはわかりませんよ。

・・・だけど、読み物として楽しむならやっぱり「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」かな。

だってどっちの本を読んでも結局、ボルジア家ってすごい一族だったって結論に
なってしまうんですから。

だったら楽しめるほうがいいですよね。