吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2013年1月の読書リスト

図書館の本が押し寄せてくるかな?と慄いて控えていたため、積んでいた本をだいぶ読むことができました。でもまだまだ減らないので頑張らねば。

 

それにしても銀行のATMで「画面の上に物を乗せないでください」ってメッセージにカチンと来るのは自分だけでしょうか。月末は様々な手続きがあってうんざりしているのに大きな音で機械に注意されるのって腹立たしい。狭いんだから仕方ないじゃんか!

 

関係ない愚痴、申し訳なく。



2013/1/4読了
 ::神の代理人
 塩野七生
 ルネサンス期の4人の法王(神の代理人)を史実を基にし、創作で補完して描かれた作品。
 いずれの章も周辺国家との間に繰り広げられる外交戦を通して法王の人物像を描き出している。
 「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」を昔読んで楽しませてもらったためか、「アレッサンドロ六世とサヴォナローラ」の章が最も楽しめた。
 何でしょう、あの書簡の応酬は(笑)

 

2013/1/7読了
 ::妖都
 津原泰水
 ファンを自認しておきながら津原泰水名義で初の作品を読んでいなかったのは理由があって、 古書店でなかなか出会えなかったから。と言いながら一年くらい前に入手できていたのでただの言い訳。
 荒削りながら現在の津原泰水が描き出す世界観や表現力の片鱗が随所に感じられる。

 

2013/1/11読了
 ::帰ってきたアブサン
 村松友視
 愛猫アブサンの死から一年後の著者の心境が綴られる「帰ってきたアブサン」は、
 同様の経験者なら共感できることでしょう。
 その他の短編は猫がらみの小説の形をとっているが結局はアブサンと著者夫婦のことのよう。
 猫にそれほど思い入れなんかないんだよって振りをしているネコバカっぽさが微笑ましい。

 

2013/1/16読了
 ::エレンディラ
 ガブリエル・ガルシア・マルケス
 表題作は「無垢なエレンディラと無常な祖母の信じがたい悲惨の物語」という題名を
 短縮しているのだが、他に収められている作品も長い題名を冠せられ、それらが何とも 心地よい印象を与える。
 ラテンの香りに包まれた奇想コレクションというかお伽噺的作品たちは最後まで飽きさせることがない。
 「大きな翼のある、ひどく年老いた男」が好み。

 

2013/1/20読了
 ::封印作品の謎―ウルトラセブンからブラック・ジャックまで
 安藤健二
 映画「ノストラダムスの大予言ウルトラセブンブラックジャックなど人気作品の一部が封印された経緯や背景などのルポ。色々な見解があるのはわかるけど、最終的には自分の目で確認して判断したいとは思う。
 今視聴可能なもので、なんで封印されないの?という作品を結構見かける気がするけど時代背景、
 価値基準の変化などで一貫性が無いんだろうな。

 

2013/1/27読了
 /アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極
 角幡唯介
 全滅したフランクリン隊が探検した経路を辿る角幡さんと萩田さんの苦難の冒険ノンフィクション。
 最新装備であっても難業なのに、当時(1845年)のフランクリン隊の苦難の連続は想像を絶する過酷なものだったに違いない。 時代を超えて交差するチャレンジは読みごたえがあり、食糧をめぐる葛藤などは普段の生活から離れることができない者にとっては考えさせられる。
 ただ、カラー写真の方が臨場感があっていいと思うが、白黒でもいいので章ごとに写真があると効果的だったのでは?

 

2013/1/28読了
 ::廻旋する夏空: クロニクル・アラウンド・ザ・クロックII
 津原泰水
 オッサンからすると気恥ずかしいくらいカッコイイ連中の青臭さ、なんだか好きだなあ。
 津原やすみの世界に誘われているのだろうか。
 それにしてもあとがきにある執筆の舞台裏とRCサクセションの話にゾクゾクしたな。
 「多摩蘭坂」は、いいね。



7冊読了。