デビュー作を含む5作品の短篇集です。多くの方が面白いと仰っていたので期待大。
サクサクと読めました。
あ、簡単な筋書きも書かないで感想だけ書いていますのでお許しください。
表題作は、ユーモアがあって妙に爽やか。思わぬ展開が用意されていました。
ちょっと言い回しが古臭い感じがするけど、話しの展開は楽しめました。
病弱な妹の張り切りかたが印象的でした。
こんなところに視点を向けてちょっとした盛り上げ方をするところが面白いなあと。
「この子誰の子」 は題材的には暗いはずなのに、なんて爽やかで、
よい話しに仕上がっているのだろう。
それに、よくできた男の子だねえ。
押しかけてきた女性の行動に一体どうなるのかな?と思わせておいて最後の悪者がいない終わり方は
さっぱりまとめたな、と言う感じ。
「サボテンの花」 これが一番好きですねえ。オチは途中でわかってしまいましたが、
教師と子供の交流を暖かく描いた作品なので関係ないですね。
素直にいいお話しです。
ただ、今の時代に作中の教師や子供たちのような心を持っていてくれ、
と期待するのはちょっと酷かなあ。
「祝・殺人」 まあ、エレクトーン奏者にしておくのはもったいないですね。
出来すぎのきらいはあるけど。
オチはこの刑事と・・・なんて思ってたので刑事さんと同じ心境になれたかな(笑)
「気分は自殺志願者」 軽妙で面白い。サボテンの花と同じくらい面白かった。
どんな方法で目的を達成するのかな?と思わせつつ、最後はとてもいい気分で
読み終えることができました。
こんなミステリーもありなんだなあと思い知りました。
まあ、ミステリーはそれ程詳しくないんですけど(笑)
いずれも初期作品のためだと思いますが、ぎこちなさを感じたことは確かです。
日常と隣り合わせの「犯罪」ばかりで、トリックよりも
軽く人間ドラマに主眼を置いている姿勢は好きかも。
全体的にうまくまとめてるなあと、感心しました。
いい人ばかり出てくると読んでいて気持ちも楽ですね(笑)
宮部みゆき作品は、これからも皆さんのご意見、ご感想を参考にしながら読み進めていこうと思います。