吉祥読本

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ザ・万歩計 ::万城目学

第二弾のエッセイ、「ザ・万遊記」を先に読んでしまいましたが、はっきり言うとこの最初のエッセイのほうが断然面白い。
それを考えると読む順番はこれでよかったのかもしれません。

 

共感できる話がいくつかありましたが、その中でもたけし映画の「Kids Return」のラストの台詞で胸が熱くなるあたり、おお!俺もそう思うぜ!と暑くなりました。違う、熱くなりました。
いい歳してなんですが、何かをやるにあたって遅すぎる事は無いんだ!
って今でも思っているのでド共感です(笑)

 

「ねねの話」に関してはかつて飼っていたネコと重なるシーンも多く、しんみりしたりジーンとしたり。
ネコ(他の動物もそうだけど)との関係は人によって様々な距離感があるでしょうけど
お別れに関しては多くの人が同じように感じる部分があるのではないかと思います。

 

「技術の時間」も面白かった。自分の知っている技術の時間とは趣が違うが
(だって農作物を育てるのって何か違いますよ)マキメさんの考察が笑えます。

 

同じような経験や思いを持っていても、これだけ面白く書けてしまう才能はさすがです。

 

意外にも若い頃にかなり世界を渡り歩いていたようですが、その経験が作品作りにもきっと影響を与えているのでしょう。
面白い作品を書ける人の奥行きはやはり若い頃から培われているのだなあ。。。
鴨川ホルモー」や「鹿男あをによし」の裏話も楽しめたけど、
う~ん、鹿男の原点はトナカイだったんですね~(笑)



万歩計というタイトルを付けた思いが書いてあったが、そんなところにも人柄を感じます。
地道に歩き続けることが大切だし、歩かないとわからないこと、いっぱいあるしね。