題名を見ればおわかりでしょうが百先生のノラやを意識している作品です。
だからと言っていなくなったネコを探すわけではありません。
むしろネコのように自由すぎる、そして勝手すぎる人間たちの話である。
いや登場人物たちを見ているとネコのほうがきちんとしているかな?(笑)
だからと言っていなくなったネコを探すわけではありません。
むしろネコのように自由すぎる、そして勝手すぎる人間たちの話である。
いや登場人物たちを見ているとネコのほうがきちんとしているかな?(笑)
登場人物たちの人間関係はやけに深く、そのわりにノリが軽い。
その関係を書くのは複雑だから割愛するが、自由気ままに生きている人間たちのいい加減さになんともいえない脱力感を覚える。しかしどの人物も憎めない。
その関係を書くのは複雑だから割愛するが、自由気ままに生きている人間たちのいい加減さになんともいえない脱力感を覚える。しかしどの人物も憎めない。
文章は独特で主人公の男の語りがほとんどだが、句点が非常に少ない。
読点で言葉を続けていくので語り始めるとどんどん違う話に飛んでいき、読んでいるうち「結局何の話なんだっけ?」となってしまい、案の定、着地点は全然違うことになってしまう。
1ページ以上読点だけで文章が続く事もザラなのだ。
が、そのテンポは気持ちよく、どうせたいした内容を話しているわけではないので(笑)
その雰囲気をわかればいいのだろう。
なんとなくのんびりと適当に生きている人たちはどこか昭和のよき時代を感じさせて
ま、いいか、となる。
特にアレクサンドルの真っ当なようで全然無茶苦茶な説得力は素晴らしい
(褒めていいのかは微妙だが)
読点で言葉を続けていくので語り始めるとどんどん違う話に飛んでいき、読んでいるうち「結局何の話なんだっけ?」となってしまい、案の定、着地点は全然違うことになってしまう。
1ページ以上読点だけで文章が続く事もザラなのだ。
が、そのテンポは気持ちよく、どうせたいした内容を話しているわけではないので(笑)
その雰囲気をわかればいいのだろう。
なんとなくのんびりと適当に生きている人たちはどこか昭和のよき時代を感じさせて
ま、いいか、となる。
特にアレクサンドルの真っ当なようで全然無茶苦茶な説得力は素晴らしい
(褒めていいのかは微妙だが)
絲山秋子さんの作品の雰囲気が近いように感じました。
作中で主人公の夏之が女優「アンナ・カリーナ」の古いフィルムを現像するシーンがある。
それに関連して表紙にはアンナ・カリーナのモノクロ写真が使われているのだが、
その横顔がやけにエキゾチックでキリリとしていて印象的です。
それに関連して表紙にはアンナ・カリーナのモノクロ写真が使われているのだが、
その横顔がやけにエキゾチックでキリリとしていて印象的です。
昭和63年度、女流文学賞受賞作。