吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター /五十嵐貴久

今か今かと思いつつ、なかなか文庫が出ないので図書館で借りてしまいました。
題名はもちろんディープ・パープルの有名曲「スモーク・オン・ザ・ウォーター」がらみ。
40歳代の主婦がひょんなことからロックバンドを組むことになって「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を
演奏しようと奮闘する物語です。
ド素人の主婦たちがどこまでできるのか、今までの五十嵐作品を読んでいれば結論はわかっているので
安心して読めます。また、全体に軽い(軽すぎる 笑)文体なので物足りない部分もあります。
でも、あまり難しく考えないで読むと漫画を読んでいるようで楽しめるんです。

 

中学、高校生時代ってバンドに憧れるけど、なかなか踏み切れずに終わってしまった人なら
きっと共感できる部分があると思います。自分もそうでした。
ボーカルで誘われたことがありますが、恥ずかしいなあって思って断りましたが。。。
やっておけば良かったかな(笑)

 

各家庭の問題などを描いていて前半は冗長気味。なかなかバンド活動が始まりません。
後半になってようやく滑り出しますが、この作品のエンディングで主婦の隠れたパワーが全開になります。
主人公の人格が突然壊れますが(笑)ハードロックですからこんなもんでしょ。
慣れない言葉遣いが気になりつつも、かえって身についていない感じが伝わってきました。

 

各章の題名がパープルの曲名になっていて、読んでいると何度も曲がリフレインします。

 

「Black Night」
「Strange Kind of Woman
「Speed King」
「Child in Time」
「Highway Star」
「Burn」

 

あー懐かしい!
レコードを何度聴いたことでしょう。(ライブ・イン・ジャパンはCDでも持っています 笑)

 

パープルをよく知らない人にとっては突っ込みどころ満載かもしれませんが、この作品のノリ、好きです(笑)




蛇足です。
過去記事ですが、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」には別の理由もあってとても思い入れがある曲です。
(申し訳ございませんが限定記事ですのでお許しください)