著者:シオドア・スタージョン
翻訳:大久保譲
出版社:国書刊行会
積んでいた本の棚卸をゆっくりと行っているところです。
「長英逃亡」に引き続き、本作も10年は積んでいたはず。
心なしか肩が軽くなるようです。
そうそう、何と! 本日「アベノマスク」が届いてました!!
都市伝説かと思っていましたが、本当にあったんですね。
でも残念ながら立体布マスクを基本的に使ってるし、
日本製不織布マスクも少しですが入手済みのため、記念にしておこうかと。
給食当番が回ってきたら使いましょうか。
以下、本題。
主人公チャーリー・ジョンズはどういうわけか「レダム」という世界で目を覚ます。
銀色の空、変わった建物と変わった服装のレダム人。
なぜ自分がここにいるのか、レダムがどんな世界なのかは不明。
レダム人はチャーリーが自分の世界に帰ることを受諾するが
レダムの文明を評価するよう条件を出してくる。
レダム人が両性具有であることがわかり、チャーリーの目線を通して
それは後半になるにつれて熱を帯びてくる。。。
あまり詳しくないがキリスト教の考え方が大きく影響していることは伝わってくる。
チャーリーの話しと交互に描かれる当時のアメリカの一般家庭の生活描写は
結局交差することがないが、ジェンダーについて考えさせる効果を上げていて巧い。
ラストの展開もそう来るかあ。。
個人的にはあまり深く考えたことが無いテーマだが、現代の状況を考えると
本作が1960年に書かれたことがとにかく凄い。
考えの異なる存在をどう認めるか、「人間以上」のテーマにも通じているような気が。
次の棚卸として、本作の解説にも引用されているジェンダーSF小説を
ちょろちょろ読んでいるが、だいぶ苦戦中。なかなか進まないよ。。。
2020/5/7読了