著者:今村翔吾
出版社:祥伝社
戦国時代のスター的な武将たちではなく、名前は知っていても
あまりスポットが当たってこなかった人たちににフォーカスしている短編集。
どの話しも著者の描く人物は爽やかで慈悲深くそして自らの信念に従う様が心地よい。
今川氏真の表題作、北条氏規を描いた「狐の城」が好きな作品だが、
その他の話しも全て面白く読めた。
ホラーめいた 「三人目の人形師」は本短編集のなかでは特異な存在だが、
こんな話も書けるのかと驚いた。
実在した人形師なので画像検索してみると、
想像以上に凄いクオリティの人形なのでマジでゾッとした。
そして「あとがき」がとても素晴らしい味付けとなっている。
長編は読みごたえのある作品ばかりですが、短編集も良いですね。
【収録作品】
「蹴れ、彦五郎」 「黄金」 「三人目の人形師」 「瞬きの城」 「青鬼の涙」
「山茶花の人」 「晴れのち月」 「狐の城」