吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

われらをめぐる海 --レイチェル・カーソン

海に関して興味があって、何かの折に彼女の名前を知り、数件の本屋さんを探して見つけました。
沈黙の春」のほうが有名ですが、彼女はれっきとした海洋生物学者です。

学者の著書なので専門用語が結構出てきますが、表現力が豊かで素人にもとてもわかりやすいので
特に抵抗なく読めました。

出版されてから随分経つので、温暖化や環境汚染に伴い、現在とは事情が違うことも
それなりにあるのでしょうが、地球規模で考えると「基本システム」は変わっていないと思います。

海のメカニズムはダイナミックかつ奇跡的な流れで構築されていることがわかります。

海での出来事は陸上との緊密な連係で成り立っていることもわかってきます。

全てはつながっているのだということが自然と理解でき、とても勉強になりました。

環境のことを考えるうえでも、国単位で物事を考えていたのでは
取り返しがつかないことは明白じゃないか!
ということもわかりました。

この夏、海に行ってスノーケリングをいつものように、いつもの場所で楽しんだのですが、
潮の流れなんかを今まで以上に意識したり、海の見方が変わったような気がします。
当たり前だけど、ここは世界と繋がっているんだなという感覚も、ちょっとした知識を
持つだけで具体的にわかるような気がしました。

もっとはやく本書に出会っていたかったと思います。
10代の人が読むには、とてもいいのではないでしょうか。

この著書は地球レベルで色々なことを教えてくれたましたが、もっと狭い世界を描いた
「海辺」という著書も地味ですが興味深く読めた本でした。
これについては後日書きたいと思っています。
また、「レイチェル・カーソン」という上下巻の文庫本も最近出ました。
これも入手済みなので楽しみです。

その前に、溜まっている本たちを先に読まないと、やばい。