吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

クワイエットルームにようこそ --松尾スズキ

冒頭はつらかった。これはちょっと失敗かも・・・と思って後悔したものの、我慢して読み進めた。
こんな話しがずっと続かないことがわかって安心した。
高橋源一郎の「君が代は千代に八千代に」を読んでいたので、多少免疫があったのかもしれないが
つらいものはつらい。
これから読む人は食事の直前直後に読み始めないほうがいいでしょう。

精神病院の隔離病棟での話しですが、展開や登場キャラクターは「重さ」がなく面白い。
ただ、この軽さが日常と非日常の垣根を低くしている分、やけにリアルで、怖い。
まあ演劇的とでも言うのでしょうか。

ラストは爽やかに終わるけど、素直に「わたし」の長い罰ゲームは終わったのだろうか。
それとも「栗田さん」は、「わたし」のこれからを暗示しているのだろうか。
考えすぎ?
他の患者に「栗田さん」のあとを継ぐのではないか・・と言われていたのが引っかかっただけなのだが。


近日公開予定の映画での出演者は、ざっと見る限り、それぞれイメージに近い感じがします。
それぞれの役者が、この原作をどのように演じているのかは素直に興味があります。