吉祥読本

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あやつられ文楽鑑賞 --三浦しをん

「BOOK」データベースより引用
「この本は、文楽観劇のド素人であった私が、いかにしてこのとんでもない芸能にはまっていったかの記録である」。
日本がほこる伝統芸能に、笑い、ツッコミ、ときに涙する。若き直木賞作家が、文楽の魅力に迫る。


三浦しをん「仏果を得ず」を読んで感想をアップしたらあーさんが、あやつられ文楽鑑賞という作品もあるよって教えてくれたので、まだ「仏果~」の記憶が残っているうちに読んでみました。あーさん、情報ありがとうございます!

この本の印象で一番感じた事は、「三浦さん、文楽LOVEじゃん!」ということ。
アイドルに熱狂している女子、という風情である。手放しである。
落語が好きな人はよくお見かけします。歌舞伎もテレビでよく見かける役者を通して、舞台を見たことがなくても「なんとなくこんな感じかな?」とイメージを持っている人は多いと思います。
歌舞伎なら私ですら一回だけですが観た事あります。高校の行事としてなので大きな声じゃ言えませんが。
でも「意外とオモシレーじゃね~か」、と思ったものです。(高校生の言葉遣いです)
あとは歌舞伎町でならよく遊びました。。。(無視してください)
しかし、文楽はなあ。。。「仏果を得ず」ではじめて少しだけ知りました。
本書のなかに、複数の人がひとつの人形を操作している写真が掲載されていて
「あ、こんなシーン子供の頃テレビで観た」というセピア色の記憶が蘇りました。
そして「八犬伝のほうが面白い」と思った記憶も同時に蘇りました。
(子供の頃の記憶ですから人形劇として捉えていたのだと思います)
大人になってからはテレビのチャンネルをまわしてるときに一瞬手を止めるくらいでした。
文楽との繋がりなんて、せいぜいこんなもんでした。いやこれじゃちっとも繋がっていません。

 

本作は有名どころの作品を三浦さん自身の独特な言葉遣いで楽しそうに解説してくれています。
お話しをしてくれる関係者のとぼけた(失礼)日常なども語られています。
舞台装置の話しやミスしたときの話しも興味深いものがあります。
「仏果を得ず」でも出てきた「床本」の写真は、自分のイメージと違っていたこともわかりました。
縦10文字×横5行程度で1ページ50文字くらい。字が大きい!
まあ、練習するとき手で持つことができないのですから床に置いて見えなきゃいけないでしょうから当然なんでしょうが、文字の大きさにビックリしたやらこんな知識が新鮮だわ得した気分。
ただ、三浦さんのフリークぶりが伝わってきた反面、解説してもらっても実際のイメージがなかなか湧いてこなくて(あたりまえなんですが)歯痒い。
やはりせめてテレビでちゃんと見ないとなあと痛感しました。
と、言いながら「仏果を得ず」の感想でも書きましたが「最近書店で平積みされていた文楽の世界の人が書いた本」を探し出したので続けて読もうと思います。
この「あやつられ文楽鑑賞」でも紹介されている 竹本住大夫という人間国宝の方が書いた「文楽のこころを語る」という本で、今年の1月に文庫になったばかりです。
本ばかりで、どんどん頭デッカチになってしまいそうですが、できることからコツコツと積み上げます。

 

それからラガマフィンさんから丁度いいタイミングで教えていただいた三浦しをんさんと酒井順子さんの対談を読むと、この作品の雰囲気が味わえるかもしれませんので興味のある方は読んでみてください。ラガマフィンさん、情報ありがとうございます!
いずれ頭デッカチな知識をひけらかしたいと思いますが、花粉症対策の薬で朦朧としているのであっけなく忘れ去ること、必至でござる~