近所の古書店で出るのを待っていたのですが、取引先に打ち合わせに行った際にはじめて入った古書店で
入手できました。
題名が示す通り、就職して三ヶ月で気に入らない会社をやめ、フリーターをやっていた武誠治が
母親の心の病をキッカケに一念発起し、就職活動、介護、仕事を通し成長していく過程が描かれます。
入手できました。
題名が示す通り、就職して三ヶ月で気に入らない会社をやめ、フリーターをやっていた武誠治が
母親の心の病をキッカケに一念発起し、就職活動、介護、仕事を通し成長していく過程が描かれます。
単純なサクセスストーリーのようですが、「ストーリーセラー」同様、かなりシビアで痛いスタートを切ります。
わがままで世間知らずで根拠の無いプライドで軽く生きている誠治は、いきなり母親のうつ病に直面します。
原因は近所から受けていた20年来のいじめを一人で受け止めてきた事。
唯一状況を察知していた誠治の姉が結婚して家を出、父親の誠一は家族を顧みないどころか
いじめの原因を作っている張本人である。
ついに限界を超えた母親の症状は重篤なものであり、このあたりの描写は読んでいてもきつい。
仕事以外では、のほほんと生きている自分にはこんな陰湿ないじめが持続することが信じられないのですが
ニュースなどを見ているとそれなりにあることなのかもしれない。
わがままで世間知らずで根拠の無いプライドで軽く生きている誠治は、いきなり母親のうつ病に直面します。
原因は近所から受けていた20年来のいじめを一人で受け止めてきた事。
唯一状況を察知していた誠治の姉が結婚して家を出、父親の誠一は家族を顧みないどころか
いじめの原因を作っている張本人である。
ついに限界を超えた母親の症状は重篤なものであり、このあたりの描写は読んでいてもきつい。
仕事以外では、のほほんと生きている自分にはこんな陰湿ないじめが持続することが信じられないのですが
ニュースなどを見ているとそれなりにあることなのかもしれない。
情けない男たちに嫁ぎ先から乗り込んでくる男前の姉、亜矢子の啖呵は気持ちよくも
近所のオバサンや、父親の誠一への冷酷無比な攻撃は、実際目にすると縮み上がるに違いない。
自分のことではないのになんだかバズーカのように言葉がたたみ掛けて突き刺さってくる。
男にはなかなか持ち合わせの無い武器だと思うが、頼もしい(笑)
近所のオバサンや、父親の誠一への冷酷無比な攻撃は、実際目にすると縮み上がるに違いない。
自分のことではないのになんだかバズーカのように言葉がたたみ掛けて突き刺さってくる。
男にはなかなか持ち合わせの無い武器だと思うが、頼もしい(笑)
亜矢子の脅迫に近い叱咤激励に奮起する誠治は介護をしながら就職活動をはじめるが、
本来はこの部分が本作の目的だったはずだ。(ビジネスサイトで連載していた作品のようですから)
無事就職後の展開はかなり都合の良いものだったが前半の憂さを晴らすかのような
明るさがあって相殺したのでしょう。
本来はこの部分が本作の目的だったはずだ。(ビジネスサイトで連載していた作品のようですから)
無事就職後の展開はかなり都合の良いものだったが前半の憂さを晴らすかのような
明るさがあって相殺したのでしょう。
かつて、自分も人事の責任者の経験があったり、独立後生活が苦しくて建築現場でしばらく
お世話になったりしたことがあるせいか共感するというか、理解できる事がいっぱいありました。
逆に厳しく読む部分もありましたが、就職活動、人材募集における人事側の見方、考え方は
時代が違っていてもあまり変わらないようですし、働く、ということに対する意識レベルでの問題提起にも
なっていたように思います。
自分がいかに甘かったかに気付き、面倒くさい父親をおだてながらの就職活動の描写は、
就職活動中の人には一種のマニュアルとしても利用できそうですね。
また介護に関する考え方も千差万別でしょうが、参考になるものではないでしょうか。
要素としてはてんこ盛りだと思います。
お世話になったりしたことがあるせいか共感するというか、理解できる事がいっぱいありました。
逆に厳しく読む部分もありましたが、就職活動、人材募集における人事側の見方、考え方は
時代が違っていてもあまり変わらないようですし、働く、ということに対する意識レベルでの問題提起にも
なっていたように思います。
自分がいかに甘かったかに気付き、面倒くさい父親をおだてながらの就職活動の描写は、
就職活動中の人には一種のマニュアルとしても利用できそうですね。
また介護に関する考え方も千差万別でしょうが、参考になるものではないでしょうか。
要素としてはてんこ盛りだと思います。
と、まあ、このあたりまでは概ね受け入れることが出来たのですが、終盤の恋愛パートはもう少し
控えめでも良かったと思います。
多分有川作品の中ではこれでも抑え目で悪くない要素なんでしょうけど、自分的にはちょっと(笑)
控えめでも良かったと思います。
多分有川作品の中ではこれでも抑え目で悪くない要素なんでしょうけど、自分的にはちょっと(笑)
前半の展開さえ越えれば(長いけれど)、読後感はなかなかよかったです。