吉祥読本

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金剛の塔

著者:木下昌輝
出版社:徳間書店

 

木下さんが少しだけとはいえ現代を描いたのは初めてではないでしょうか。
ちょっと新鮮でした。

 

地震で倒壊したことがない五重塔の歴史と建築にかかわる職人たちの様を、時代を超えて描いている。
昨年、森美術館で「建築の日本展」を見に行き、スカイツリー五重塔との構造の共通点などの展示を見ていたので脈々と繋がる建築技術の凄さを物語で読め、改めて感服した。
ただ、内容自体は興味深いが各話に案内人のように出てくる聖徳太子スカイツリーのストラップに必要性を感じなかった。
五重塔の歴史や人間模様を普通に描き、後のスカイツリーに繋がりましただけでよかったのでは?と思いつつ黒猫目線の章は面白いと思ったんですけどね。

 

日本で最も古い法人組織である金剛組の歴史も描かれているわけだが、
ノンフィクション本があるようなので読みたい。

それから猫ってその昔日本にいなかったのに、経典を齧る鼠を退治するために連れてこられたって話は知らなかった。
なんか知らないことばかりだなあ。


2019/7/1読了