著者:劉慈欣
翻訳:大森望/ワン チャイ/光吉さくら/泊功
出版社:早川書房
遂に完結。
前作までのあらすじのおかげでスッと入り込めたが、「面壁計画」の裏で
「階梯計画」が進んでいたらしい。
この計画の推進者である程心を中心に、これでもかとばかりに激しく展開する
ストーリーに翻弄される。
相変わらず続く智子の監視の中で保たれる三体世界との均衡、
地球から欺瞞を習得した三体世界、
オーストラリアに移住させられる人類、黒暗森林理論が実証されてしまう三体世界、
そして雲天明の過酷な運命が気になりつつ下巻に。
果たしてどのように完結させるのだろうか。
・・・全く予測不能な展開だった。
文化大革命からはじまり、こんなところまで行くとは驚愕。
スケールの大きさも半端ないが発想の豊かさに圧倒される。
一作目読了後、虫けらの意地に期待したものだが、宇宙から見た人類は
ウィルスサイズですら無いことを思い知らされる。
まあ、案外しぶといことも確かだけどね。
人口冬眠やら次元やら光速やら目まぐるしく進む物語は途方もないスピードで
時代を越えていく。
ラストはわりと静かな雰囲気だったが、最後まで飽きさせない展開はお見事。
とても手応えのあるSF作品を堪能でき、とても満足。
それにしても歌い手さん、何てことを!