吉祥読本

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食卓のない家 --円地文子

1970年代、過激派の活動が活発なころの話で、浅間山荘の事件が基になっている。
事件の犯人とその家族の葛藤や日本政府の対応など、時代背景が違ってはいるが
現在かかえる社会の問題と何も変わりは無い。
むしろ、事件を起こした犯人の親の考え方は当時よりも現在に近いと思う。
信念を貫く人、世間に翻弄される人、危機管理能力や理念のない国、
さまざまな視点は、今後も続いていくだろう社会のさまざまな問題を
それぞれの立場で考えさせられる。
本書は、今こそ読むべき一冊かもしれない。