吉祥読本

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重力ピエロ --伊坂幸太郎

本作はは気持ちのいい状況設定ではないし、大きな仕掛けも派手さもない。
雑学的な話しなど回りくどいといえば回りくどいし、気になるところもある。
ただテーマは重いんだけど、いつもどおりの軽快な会話で楽しませてくれることは間違いない。
このあたり、あいかわらずうまい。

展開はある程度予想がつくが、あまり気にならず、読後感はやはり爽やかだった。
大雑把に言ってしまえば家族愛をサラッと描きたかったのかな。

個人的には一番好きなキャラクターの黒澤も出てくるし、本作は伊坂作品の中でも結構好きな方です。
理由としては何となくとしか言いようがなく、ただ好きだなあと感じただけなんだですけど・・・


「重要なことほど軽く扱われねばならない」という言葉が出てくるけど、そうなんだよなって思う。
事例は浮かばないから抽象的なんですけど、
あまり悲観的に考えずに、考えないふりを装いながら実は懸命に考えいて、
何事もなかったかのようにサラッとこなせればなあと常々思っているのですが、
それを別の言葉でサラッと表現してくれてるな、って思いました。

なぜ伊坂作品を気に入っているのかと考えると、多分この何となく感じる軽快さを
欲しているからなんだろうな。

ノンフィクションは相変わらず好きだけど、やけにリアリティにこだわった小説は
読みたくなくなっている。
それも暗い感じで救いが無い小説はちょっと・・・
世の中が殺伐としてるせいか、せめて小説くらいは読後に爽快感とか、
希望とかある作品のほうがいいなあと。


なんか重力ピエロの感想からずれてる感じが・・・・。まあいつものことか。

この作品は最初に読むのは避けたほうがいいかも。
人によって好き嫌いが分かれる作品であることもわかる気がします。

何となくなんですけどね(笑)