吉祥読本

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となり町戦争 --三崎亜記

三崎亜記をはじめてテレビで見た時、びっくりしました。。。。

 

初期作品シリーズ第三弾は三崎亜記です。



「BOOK」データベースより引用

 

ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。
だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。
シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。
第17回小説すばる新人賞受賞作。



はじめに謝っておきます。
三崎亜記ファンの方、ごめんなさい。

 

話題になっていたので文庫化されてすぐ読んだ本なのですが、
正直なところ、う~ん・・・だった。
これから何かが始まるのか?と思っているうちに何気なく、
そしてあまり盛り上がらないまま終わった感じがします。

 

知らない所で戦争が起きている・・・という設定は、栗本薫ゲルニカ1984年 で経験済みです。
栗本の「ゲルニカ~」は何となく意図が伝わってきていたと思うし、面白かったのですが、
本作は栗本薫よりも読みやすいのに、結局何を伝えたかったのだろう?

 

あなたの知らないところで戦争は行われているんだ、みたいなことを言いたいだけなのでしょうか。

 

私の読み方が悪いのかもしれませんが、なぜ直木賞候補になるぐらい評価が高かったのか。
直木賞自身にある問題はとりあえず置いときます)

 

イデアだけで勝負をかけたのでしょうか。

 

静かな雰囲気で淡々と綴られる文章は嫌いではないのですが、なにか物足りなくて。

 

その後出版された「失われた町」も題材的には興味があるんですが。。。。
この一作で評価するのは惜しい気がするので、読んでみようと思っています。





冒頭の「テレビを見てびっくりしたこと」は三崎亜記が男性だったこと。

 

作家の名前だけで判断してはいけませんね。
恩田陸が女性だったのを知ったときも驚いたんですけどね。
高村薫北村薫田口ランディ桜庭一樹佐藤雅美、等々名前だけで判断できなかった人ばかり・・・
男女どちらが書いたかは、案外読み方に影響を与えることがあると思うので怪しい名前は事前に調べようと思います。