久しぶりに村松友視の本を読みました。
時代屋の女房と、読んだはずだという記憶しかない本が何冊か。。。
読もうと思った理由は猫の話しだったから。
21歳の長寿猫「アブサン」と村松夫妻の交流が淡々と描かれている。
出会いから別れまで。
猫を飼っている人なら「あ~、あるあるこんなこと」って合点のいくことが多いと思います。
猫の行動はどこも似たり寄ったりですね(笑)
猫の話しとは言っても、アブサンを通して交わされる夫婦の会話も飄々としていて楽しい。
村松の見栄っ張りな言い草に、さりげなく見事に対抗する奥さんのとぼけた会話が
二人の年輪を浮き上がらせている。
夫婦の会話からアブサンが二人にとってどんな存在だったかがわかる。
二人の気持ちや愛情が、手に取るようにわかる。
それにしても21歳とは恐れ入る。
うちでは3年前まで飼っていましたが、もういません。
18歳直前だったので、まあ、長寿なほうでしょう。大往生です。
もともとうちの奥さんが飼っていた猫で私との付き合いは約15年。
アブサンと同じ捨て猫だったのですが、生まれて一週間もたっていなかったので
もう少しで死ぬとこだったと獣医さんに言われたらしい。
親バカ?っぽいけどうちの猫も顔は可愛かった。
完全に家猫だったのですっかりデブ猫(最大で約8Kgいったかなあ?)になってしまいましたが
いい相棒だった。
「アブサン物語」を読んでいるとついつい自分とアイツの出会いのころから
私たちの腕の中で息を引き取ったときまでの様々なシーンが思い浮かんで、何度か目が霞みました。
アブサン物語で書かれていること、特に最後のほうはかなり重なることがあったので・・・
まだ生きていたら、アブサンと同じ年齢だったんだなあ。。。
村松友視も同じようなことを色々考えていたらしいが、
人間の勝手を押し付けていたんじゃないかなあ、
アイツは幸せだったんだろうかねえ、と、たまに二人で話しをします。
いまだにわかりません。
まあ、少なくとも私たちはアイツと出会えて良かったことだけは間違いないんですから、
それで良しとしましょうか。
色々と勉強させてもらって感謝もしてる。
一週間の命が18年に伸びたんだから良かったはずだよな、と思うのですが、
それも勝手か?まあ、許せ(笑)
最近ようやくアイツがいない生活に慣れたら、猫がらみの本が目に入るようになりました。
内田百の「ノラや」も買ってあるので、近日中に読もうと思っています。