吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

ペンギン・ハイウェイ ::森見登美彦

小学4年生のアオヤマ少年とウチダ君とハマモトさんが体験するワンダーランドは
今までのモリミーワールドの子供版であり、そして新しいモリミーワールドでもありました。
あちらこちらに見られるモリミーらしい何気ないそして巧い表現力は、ますます磨きがかかっています。

 

生意気で背伸びしているアオヤマは、実際目の前にいたら
「おい冒険しろよ、少年」と頭をグシグシとしたくなるに違いないキャラだ(笑)
不思議なお姉さんを絡めながら「ジャバウォックの森」を冒険する子供たちは、
小学生の時に考えたこと、例えば死、家族、友達、宇宙について、
それから秘密基地のこと、そしておっ○いのこと(笑)など色んなことを思い出させてくれた。

 

ファンタジックで、全体的に紗がかかったかのようなフワフワしている作品です。
遠い夏の日を頭の中で描いている感じでしょうか。
夏に読むと、より良い味わいがあるでしょう。

 

書きたいことがいっぱいあって書きなぐってみたけれど、
結局全部が余計な事のように感じて、思い切り削ってしまいました。
今までのモリミー作品に比べて図抜けて面白い!とまでは言いませんが、
今のところマキメ氏の「かのこちゃん~」と共に「今年の10冊」に入れようと思う作品です。
こんな作品が好きなんだなあ。



「本当の本当に遠くまでいくと、もといた場所に帰るものなのよ」

 

今、どれくらい遠くまで来ているのだろうか。
ふと、考えてしまいました。