きれいにまとまった、いい作品ですね。これ。
理系が苦手だったけど関係なく読めました。
数字に隠された意味を道具にコミュニケーションをとろうとする博士と
家政婦の息子「ルート」の関係は微笑ましい。
博士に影響を受け、少しづつ数字で遊びだすことで徐々に変わって行く「私」の
気持ちの変化も何気ないがよく描かれていると思う。
限られた時間でのコミュニケーション、同じ時間を共有しているはずなのに
違う尺で見ること、見えることでそれぞれの人に起こる葛藤。
それでもそれぞれがそれぞれの方法で人を思いやる心が美しいなあ、と思いました。
一気に読んでしまいましたが、とても静かな時間を共有できた心地よい作品でした。
友愛数っていいなあ。
映画はそれなりに楽しめましたが、原作を先に読んどいてよかったかな。
そういえば数学を不得意としてきた私でも、社会に出てから「零の発見」という本を読んだときには
目からウロコが落ちたものです。
この2冊が30年前に読めていれば、数学に対する興味も変わったろうに・・・
ちなみに「零の発見」は1939年!!に出版されている本でした。
調子にのって「フェルマーの最終定理」も買ってあるのだが、果たして楽しめるのか??