吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

ラッシュライフ --伊坂幸太郎

デビュー作は確かに面白いのですが、ストーリーの重層性というか、
連続性による騙しのテクニックに関して言えば伊坂作品の中では、
本作が最高のできばえではないでしょうか。


登場人物たちのストーリーは、他の登場人物のストーリーとリレーしながら伏線となり、
最後には見事に各ピースが気持ちよ~くはまります。
会話と書き方、場面転換で時間軸が着実に崩されます。
手際のいい手品を見せられているように、「お見事!」としか言いようがありません。
ずるくね~か?って思うこともあるけど。

崩された時間軸を、実は私も把握できていない部分があると思いますが・・・
伊坂作品は、読みやすいわりに一回読んだだけではわからないことが多いんですよね~。
何度も楽しめるからいいのかな。


登場人物の一人「黒澤」は伊坂全作品の中でも私が一番好きなキャラクターです。
他の作品にもでてきますね。
クールだね。


確か、去年?の年始くらいに渋谷Bunkamuraエッシャー展やってたんで見に行ったんですが、
あまりの盛況ぶりにびっくりしました。
長蛇の列・・・・・・・あきらめました(泣)
こんなに人気あるんだな~、言っちゃあ悪いけど意外だよな~、と思ったんですけど、
ふと、ラッシュライフ読んだ人で影響受けた人とか結構いたんじゃないか?なんて考えてしまいました。
若い人が多かったしね。それは考えすぎかもしれないけど・・・
まあ、私がそのクチだったもので・・・

「あの絵」は確かに作品の内容を良くあらわしてるな~、と思います。


ところで、外人女性に、好きな日本語を書いてくれって声をかけられたら、なんて書こうかな・・・