今まで筒井康隆の感想を書いていなかったので、そろそろ書くことにしました。
思い出す作品はいくつもあるのですが、最初に浮かんだのがよりによって(笑)
「バブリング創世記」でした。
「バブリング創世記」でした。
表題作を含めた短編集ですが、もう筒井ワールド満載です。
表題作では「ジャズ」、「聖書」、「パロディ」が重要なキーワードになります。
バブリングはジャズの技法みたいですが、私はジャズの知識があまりないのでよくわかりません。
宗教に関しては全く興味がないため、当然聖書も知りません。
ただ、パロディは、好きです。
小説と呼べるのでしょうか。ただの文字列と言ってもいいでしょう。
この文字列を読んでいくと、トランス状態になりそうです。
最初の数行を読み始めて、途中飛ばして最後の章を読むだけでも意味がわかります(笑)
ふざけるな!!とか面倒くさっ!!
と、思った人はそういう読み方でいいと思います。
でもせっかくですから読む場合は声に出して読むと楽しめると思います。
そのほうが読みやすいです。ホントです(笑)
創世記を文字列で表現してしまった筒井康隆のブラックさ、見事さを感じます。
筒井康隆のほくそ笑む姿も浮かんでしまいます。
ちょっと悔しい。
けど、そんなところが好きなんですね、きっと・・・(どんなところだ?って聞かれると困ります)
ちなみに他の短編も色んなタイプの作品が揃っていて面白いです。
個人的には、鍵を次々と見つけて記憶をたどる「鍵」がいいし
オニが次々と人を殺していく「死にかた」も不条理で面白いと思います。
これじゃあ、何のことだかわからないですね。。。
古い作品ですが、筒井康隆の隠れた代表作と言ってしまうのは大げさでしょうか。
よく見たら 日本SF全集・総解説 でもこの本は全集入りしてました。
でもこれ、架空とはいえ日本SF全集に入れるのは違う気が・・・・