と言っても絵の掲載数は少ない。まあいいか。大好きな二人のコラボですから当然見つけるなり購入しました。
「殿さまの日」「江戸から来た男」「道中すごろく」「紙の城」「春風のあげく」「すずしい夏」の6編です。
星新一の時代小説は読んでいる人が少ないと思うので、こんなアプローチで広がるならいいことです。
星新一の時代物をはじめて読んだ当時は、正直、興味は涌かなかったため、ほとんど記憶が残りませんでした。
最近「ほしのはじまり―決定版星新一ショートショート」で「殿さまの日」を再読した際、
ようやくこの作品を書いた理由の一端が、そして再々読でよりわかった気がしました。
製薬会社の御曹司だった頃の思いがこの作品にかなり反映されていると思われます。
淡々と語られる「殿様」の気持ちが痛いほど星新一の気持ちを代弁しているのです。
いい人だったんだなあ。そして辛かったんでしょうねえ。
その他の作品もよく読むと一筋縄ではいかないブラックさが漂っていたりして侮れません。
現代に通じるものが、ありまくりです。
星新一の作品は一生つきあっていける作品なんだと改めて思いました。
「地の巻」も積んだので近日中に読みます。