吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット --伊藤計劃

暗号名ソリッド・スネーク。悪魔の核兵器「メタルギア」を幾度となく破壊し、世界を破滅から救ってきた伝説の男の肉体は急速な老化に蝕まれていた。戦争もまた、ナノマシンとネットワークで管理・制御され、利潤追求の経済行為に変化した。中東、南米、東欧―…

第9地区

監督:ニール・ブロムカンプ脚本:ニール・ブロムカンプ、テリー・タッチェル出演:シャルト・コプリー最近の映画では一番観に行きたかった作品です。ある日南アフリカのヨハネスブルグ上空に巨大な円盤がやってきてそのまま上空で動かなくなる。故障して動…

どんがらがん --アヴラム・デイヴィッドスン

空前絶後の輝かしい受賞歴をもち、キプリングやサキ、G・K・チェスタトンに比肩すると評されるアヴラム・デイヴィッドスン。この才気と博覧強記の異色作家が遺した短篇を、日本の誇る才気と博覧強記の作家殊能将之が編んだ傑作選。超兵器“どんがらがん”をめ…

天地明察 --冲方丁

舞台は徳川家綱の時代。先日読んだ飯嶋和一氏の作品は島原の乱。島原の乱が終息した後に生まれたのが本作の主人公である渋川春海。この流れで読んだのは偶然だったが、同じ時代であってもひたすら重くのしかかる主題を描く飯嶋作品とからっと爽快で夢や希望…

LOVE --古川日出男

「。。。。だねぇ」今まで読んできた古川作品で困ったなあ、とか訳わかんね~なと思う作品がいくつかある。「ボディ・アンド・ソウル」とか、「ハル、ハル、ハル」とか。本書もなんて言うか、リズム感がつかめなくて、これは裏打ちで読めばいいのかなとか自…

スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン --小路幸也

東京、下町の老舗古本屋「東京バンドワゴン」。営む堀田家は今は珍しい三世代の大家族。今回もご近所さんともども、ナゾの事件に巻き込まれる。ある朝、高価本だけが並べ替えられていた。誰が何のために?首をかしげる堀田家の面々。さらに買い取った本の見返…

ぼくと、ぼくらの夏 --樋口有介

高校二年の夏休み、同級生の女の子が死んだ。刑事の父親と二人で暮らすぼくは、友達の麻子と調べに乗り出したが…。開高健から「風俗描写が、とくにその “かるみ”が、しなやかで、的確であり、抜群の出来である」と絶賛され、サントリーミステリー大賞読者賞…

ザ・万遊記 --万城目学

かのこちゃんが面白かったなあなどと余韻が残っている中、書店で出くわしてしまい買ってしまいました(笑)エッセイなんですが、一発目の「ザ・万歩計」も読んでないのにこれを先に読んでしまうなんて。。。ひとつひとつがかなり短い文章なので、もう少し長…

出星前夜 --飯嶋和一

「円を創った男」で大隈重信についてよく知らなかったと書いたが、この作品も同様で、島原の乱とか天草四郎などの歴史上の出来事や人物に関しては知っているようで知らないことばかりだったことを痛感した。「魔界転生」とかが真っ先に浮かんでくるもんなあ…

竹光侍(1~8) --松本大洋

ひさびさにこの書庫を更新しました(笑)ついに先日出たばかりの最終巻を読み終えました。侍を主人公にした独特な作品で、コマの一つ一つが独立しているかのようなレベルであり、表現もとことこんシンプルにしているため、わかりにくい点はあるもののコマの…

円を創った男―小説・大隈重信 --渡辺房男

日本初の政党内閣の首班にして、早稲田大学の創設者―。一般に大隈重信の業績といえばこれに集約されるが、大隈がその能力を最大限に発揮したのは、明治4 年の「新貨条例」の布告によって完成された幣制改革であった。新通貨「円」はいかにして生れたのか。若…