吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

生き残る判断生き残れない行動

著者:アマンダ・リプリー翻訳:岡真知子出版社:筑摩書房(ちくま文庫) 本作は「9.11」ハリケーン「カトリーナ」など様々な状況で生き残った人たちが「その時」にどのような状況だったのか、何を考えたか、そしてどのように動いたのかを丁寧に取材した記録…

「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか

著者:遠藤誉出版社: PHP研究所 インターネット上の遠藤さんの記事は以前より追いかけているため既知の情報もあるがネットよりも掘り下げて纏めて読むほうが遠藤さんの伝えたいことが伝わって来る。内容的に米中の最先端技術の覇権争いが主軸なので、当然Hua…

シーソーモンスター

著者:伊坂幸太郎出版社:中央公論新社 昭和のバブル期を舞台にした「シーソーモンスター」と近未来のが舞台の「スピンモンスター」の2話収録。作家さん達が競作する螺旋プロジェクトとのこと。「シーソーモンスター」の設定は嫁姑問題を絡ませながらスピード…

ハロー・ワールド

著者:藤井太洋出版社:講談社 自称何でも屋のエンジニア文椎(ふづい)をメインに描かれるほぼ現在と少し先を描くテクノロジー連作短編小説。人との繋がりを重視して信頼できる仲間たちと共にやや熱い正義感で動く文椎が格好よく羨ましい(笑)Amazonのドロ…

カゲロボ

著者:木皿泉出版社:新潮社 児童書のような短編集ように見えるが、人間の持つ毒を描きながら赦しと癒しをも描く連作集となっている。相変わらず普通の言葉で紡がれる物語ではあるが、ちょっと違うテイスト。心の奥にある闇の描写は気持ちのいいものではない…

炯眼に候

著者:木下昌輝出版社:文藝春秋 織田信長を取り巻く人物目線から見た天才織田信長を描く連作集。 サクサクと読み易い割りに合理的に状況を見極め、何手も先を読みながら天下を 目指す信長の凄さが浮き上がる手際は木下さんらしい。 ちょっと信長が凄すぎるけ…