吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

古川日出男

4444 ::古川日出男

この題名を見た瞬間、これは読まねば、そう思いました。別に古川ファンだからとか、古川作品としては読みやすそうだなとか、成海璃子が絶賛したから(笑)とか、そんな理由ではありません。この題名で三津田さんが作品を書いたらどんな表紙であっても買うこ…

13 --古川日出男

古川日出男のデビュー作をようやく読みました。うん、長い!ちょっと長くて疲れました。アラビアの夜の種族も長かったけど、比べると圧倒的にこちらのほうが読みにくい(苦笑) 片方の目だけが色弱で、普通の人とは違う世界を見ることができる主人公の橋本響…

僕たちは歩かない --古川日出男

心地の良いテンポで語られる世界は、2時間多い26時間の世界。 一日がもう少し長いといいなと思ったことは結構いるのではないかと思いますが、 そんな世界に迷い込んだ「僕たち」の切なさと成長が描かれたファンタジーと呼んでもいい作品です。 日本で鬱屈と…

ルート350 --古川日出男

比喩表現を使わせてもらえば世界を箱庭に閉じ込めてしまったり、細胞を宇宙にしてしまったり、縦横無尽にスケールを変化させながら発する言葉とビートが機関銃のように乱射されるのは気持ちが良い反面、「的」をはずしやすい気持ち悪さをも伴う。短編集なの…

サウンドトラック(上下) --古川日出男

「BOOK」データベースより引用東京は異常な街に変貌していた。ヒートアイランド現象によって熱帯と化し、スコールが降りそそぐ。外国人が急増し、彼らに対する排斥運動も激化していた。そんな街に戻ってきた青年トウタと中学生ヒツジコ。ふたりは幼いころ海…

アラビアの夜の種族(上中下) --古川日出男

文庫版になって間もなく購入したのですが、今まで手を出せずにいました。躊躇の連続でした。しかし、今年じっくり読む必読作品として浮かんでいた筆頭でもありました。やはり古川作品の3巻分の文章というのは考えるだけで覚悟がいります。そしてついに、じっ…

ボディ・アンド・ソウル --古川日出男

本書より引用二〇〇二年十一月から二〇〇三年七月、東京――作家フルカワヒデオの魂は彷徨っていた。肉体は死んでいる。しかし夢見ている。失われた妻を求め、導師に導かれながら、この”低音世界”で物語は語り続けられる。なぜ物語るのか?なぜ物語られるのか…

ハル、ハル、ハル --古川日出男

古川日出男が朗読会をやってるのをテレビで見たことがある。凄い勢いで大声で叫ぶように読んでいた。それを真似て、機関銃のような勢いで読んでみた。心の中で、叫ぶように。ちょうど1時間くらい時間があったので図書館に行ったら本作が目に入った。1時間で…

ベルカ、吠えないのか? --古川日出男

何だか面白い本を読んでしまった。こんな読後感でした。不思議な語りかけ風な文体は最初違和感があったが、それが効果をかもし出しているのでしょう。慣れればむしろ、その潔さが気持ちいい。感情移入がほとんどなく、さばさばと進んでいる感じとかもよし。…