吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

【ま行】の作家

鴨川ホルモー --万城目学

ようやく文庫化です。気になっていたホルモーの意味がわかってスッキリしました。 森見さんの諸作品と比べると、言い回しが似ているところがあるし、キャラ設定も似通っています。ただ森見さんのほうが深みがあるというか、バンカラ度が高いというか、濃密感…

仏果を得ず --三浦しをん

文楽を知らない者としては、とても気軽にその世界に誘ってくれただけではなく、とても楽しませてもらえました。登場人物たちの仕事に対する真摯な姿勢にも好感を持てました。 8編の演目が題名に据えられた連作小説なので、各話で演目の内容が少し語られ、そ…

ショートソング --枡野浩一

「BOOK」データベースより引用ハーフの美男子なのに内気で、いまだチェリーボーイの大学生、克夫。憧れの先輩、舞子にデートに誘われたが、連れていかれたのはなんと短歌の会!?しかも舞子のそばには、メガネの似合うプレイボーイ、天才歌人の伊賀がいた。そ…

鼓笛隊の襲来 --三崎亜記

「BOOK」データベースより引用戦後最大規模の鼓笛隊が襲い来る夜を、義母とすごすことになった園子の一家。避難もせず、防音スタジオも持たないが、果たして無事にのりきることができるのか―(「鼓笛隊の襲来」)。眩いほどに不安定で鮮やかな世界をみせつける…

まほろ駅前多田便利軒 --三浦しをん

「BOOK」データベースより引用まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦がころがりこんだ。ペットあずかりに塾の送迎、納屋の整理etc.―ありふれた依頼のはずがこのコンビにかかると…

夜は短し歩けよ乙女 --森見登美彦

今年の読書始めの作品でしたが、大正解でした。「夜は短し歩けよ乙女」「深海魚たち」 「御都合主義者かく語りき」「魔風邪恋風邪」の4章構成。次を読みたい気持ちをおさえながら元日から4日まで、1章ずつゆっくり読みました。おかげで神社で達磨を見かける…

バスジャック --三崎亜記

「となり町戦争」が思っていたほど評価できなかったのですが、なんのなんの「バスジャック」は再び期待を裏切ってくれて、思っていたよりも良かったです。ショートショート2編を含む7作品が収録されています。長編だとばっかり思っていたので肩透かしを喰ら…

維新回天 高杉晋作 --村上元三

BOOKデータベースより引用吉田松陰の開いた松下村塾で頭角を現し、激動の幕末期に大局を見極める眼力と圧倒的な行動力に恵まれ、日本の維新回天を目指した男。長州藩の藩策統一に奔走、上海への渡航、奇兵隊結成…など。新しい時代に向けて駆け抜けた晋作の生…

四畳半神話大系 --森見登美彦

最初から最後まで大笑いではなくニヤニヤしてしまう顔を周囲には悟られないよう、ぐっと強張った顔で読み通したので、疲れました。 「BOOK」データベースより引用大学三回生の春までの二年間を思い返してみて、実益のあることなど何一つしていないことを断言…

向日葵の咲かない夏 --道尾秀介

Story sellerで気になっていた作家さんのひとりでした。「光の箱」を読んだ時にはこの作家が自分にとって合うか合わないかを判断できなかったのですが。。。 「BOOK」データベースより引用明日から夏休みという終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄った僕…

むかしのはなし --三浦しをん

三浦しをんさんの本は以前よりブロ友さんの書評を読むにつけ興味をそそられていたのですが、ふと本書を見つけ、説明を読むと・・・・ 三ヵ月後に隕石がぶつかって地球が滅亡し、抽選で選ばれた人だけが脱出ロケットに乗れると決まっとき、人はヤケになって暴…

太陽の塔 --森見登美彦

ついに森見の世界に踏み込みました。いずれ有頂天家族を楽しむための、遅いけどはじめの一歩だ。それにしても朝の7時前に感想をアップする本じゃあないなあ(笑) 「BOOK」データベースより引用私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三…

我らが隣人の犯罪 --宮部みゆき

デビュー作を含む5作品の短篇集です。多くの方が面白いと仰っていたので期待大。サクサクと読めました。あ、簡単な筋書きも書かないで感想だけ書いていますのでお許しください。表題作は、ユーモアがあって妙に爽やか。思わぬ展開が用意されていました。ちょ…

アブサン物語 --村松友視

久しぶりに村松友視の本を読みました。時代屋の女房と、読んだはずだという記憶しかない本が何冊か。。。読もうと思った理由は猫の話しだったから。21歳の長寿猫「アブサン」と村松夫妻の交流が淡々と描かれている。出会いから別れまで。猫を飼っている人な…

魔術はささやく --宮部みゆき

今更ながら、初めて読む作家さんです。初期作品シリーズ第四弾です。fairwaywindさんのお奨めで宮部作品を購入したのですが、ようやく読み終わりました。初期作品シリーズを思いついたのは、この作品の感想を4月中にアップするための自分に対するプレッシャ…

となり町戦争 --三崎亜記

三崎亜記をはじめてテレビで見た時、びっくりしました。。。。 初期作品シリーズ第三弾は三崎亜記です。 「BOOK」データベースより引用 ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時…

ま行の作家

【ま】●前野ウルド浩太郎バッタを倒しにアフリカへ●牧村康正「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気●万城目学鴨川ホルモーホルモー六景鹿男あをによしかのこちゃんとマドレーヌ夫人ザ・万歩計ザ・万遊記プリンセス・トヨトミ偉大なる、しゅららぼん…

東京奇譚集 --村上春樹

気分転換のため久しぶりに村上春樹を読んでみました。村上春樹ファンの方はかなりいるのでしょうが、どうも合わなくてズ~~~~~~ッと避けてきました。20年以上前に初期の作品群は読んでいるのですが、それでパッタリやめてしまいました。面白いな、と思…

リンダリンダリンダ --向井康介

映画館で見て期待以上に面白かったのですが、ちょっと確認したいことがあって買いました。 あいかわらずこの手の本の表紙は主役の4人組の写真だったので恥ずかしかったのですが・・・ノベライズだから仕方ないですね。演奏だって文字では伝わらないですもん…

クワイエットルームにようこそ --松尾スズキ

冒頭はつらかった。これはちょっと失敗かも・・・と思って後悔したものの、我慢して読み進めた。こんな話しがずっと続かないことがわかって安心した。高橋源一郎の「君が代は千代に八千代に」を読んでいたので、多少免疫があったのかもしれないがつらいもの…

コインロッカーベイビーズ --村上龍

正直なところ村上龍の作品は、ほとんど読んでいると思うが、期待はずれのもののほうが多い。「限りなく透明に近いブルー」はドラッグで見る妄想みたいなものだし、グロい。吐き気がする本は初めてだった。「海の向こうで戦争が始まる」は抽象的なイメージが…

たった一人の反乱 --丸谷才一

「ボートの三人男―犬は勘定に入れません」(ジェローム・K・ジェローム)へオマージュを捧げている「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」(コニー・ウィリス)を2年前くらいに読んだ。「ボートの三人男」は読んでいないので、機…