吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

恒川光太郎

真夜中のたずねびと

著者:恒川光太郎出版社:新潮社 5編からなる連作?短編集。 ホームレスとなった少女が占い師の老婆と暮らし、 その老婆の娘の遺体回収を依頼される「ずっと昔、あなたと二人で」は 何とも切ないが少女を巡る厳しい現実と、さばさばとした文体は よくも悪く…

2018年11月の読書リスト

師走じゃないか。昨年の冊数に届くのは絶望的となりましたが、頑張って読むぞ! 2018/11/5読了 /第六天の魔王なり 吉川永青 渋い人物にスポットを当ててきた吉川さんが信長をどのように料理するのか 楽しみだったが、冷酷無比ではなく人間、信長の苦悩という…

2017年2月の読書リスト

世の中、あちこち騒がしいなあ。積んでいる本が思っている以上に読めなかったので、3月こそと再度書いてみる。 2017/2/3読了 ::ウインドアイ ブライアン・エヴンソン 見開きのショートショートも含め、25の短編集。「遁走状態」よりもバラエティに 富んでい…

2016年1月の読書リスト

もう2月ですか。「~チャンネー」を一日で読むと流石にこたえるわ。脳ミソに。次の本を読み進めているのに、まだ余韻が残っている感じ。 2016/1/6読了 ::旅のラゴス 筒井康隆 一人の青年が老年の域に達しながらも続ける波乱の旅(人生)を淡々と描く物語。 …

2014年8月の読書リスト

怒涛の図書館本攻撃に目が廻った一か月だったが、何とか読み切った。文字の嵐に少し吐き気がするが、断じて飲み過ぎではない。と思う。 2014/8/5読了 ::銀翼のイカロス 池井戸潤 ストーリー展開、キャラ設定はすっかり定型化しているため、初期のドキドキ感…

2013年10月の読書リスト

なんだか今回は色々なかたちで多くの血が流れる作品が多かったな。 2013/10/3読了 ::自殺サークル 完全版 園子温 平成版「コインロッカーベイビーズ」の社会を破壊する手段は、演じ、育て、 死んでいくってことなのか。映画「紀子の食卓」を観ていないので機…

2012年12月の読書リスト

2012/12/1読了/チェスの話 -ツヴァイク短篇選シュテファン・ツヴァイク 「本のおかわりもう一冊」で紹介されていて、故児玉清さんが大好きだった作品らしい。 狂気に包まれた社会背景によって産み出された小さな狂気と悲哀の物語たちを 取り憑かれたように読…

金色の獣、彼方に向かう /恒川光太郎

「異神千夜」「風天孔参り」「森の神、夢に還る」「金色の獣、彼方に向かう」の4編構成です。 「金色の獣」や「樹海」など共通点が見受けられるが、特に説明は無い。それぞれ明確な繋がりはないが、元寇の頃の物語りなので鎌倉時代から現代を舞台としている…

竜が最後に帰る場所 /恒川光太郎

「風を放つ」「迷走のオルネラ」「夜行(やぎょう)の冬」「鸚鵡幻想曲」「ゴロンド」の5篇。 「風を放つ」は正直なところ何が言いたいのか意味が掴みきれませんでした。ただ見知らぬ人間との電話での会話は相手が見えないだけでちょっと怖い。そんな怖さを…

草祭 /恒川光太郎

不思議な町、「美奥」を舞台にした連作短編5篇の物語です。先月読んだ「南の子供が夜いくところ」は南国を舞台にしていたがこれはどこか懐かしさを感じさせる日本的情緒溢れる作品でした。子供の頃に遊んだ野原や林、古い家屋や駄菓子屋などの記憶が読みなが…

南の子供が夜いくところ /恒川光太郎

諸事情により久しぶりに図書館で借りてきました。久々に行ったら年末年始にシステムが変わるタイミングらしく貸し出しカードも変わってました。受付で「久しぶりのご利用ですね」と言われ、思わず「スンマセン」と謝ってしまった。損した気分(笑)確かに最…

秋の牢獄 ::恒川光太郎

近所の紅葉も綺麗になってきたので、読むには丁度良い頃合です。「秋の牢獄」 「神家没落」 「幻は夜に成長する」の3篇。 恒川さんの作品は三作目ですが、「幻は夜に成長する」がちょっと今までと違う印象でした。安定した独特の世界観を持っている作家さん…

雷の季節の終わりに --恒川光太郎

いいですね、この世界観。地図に載っていない「穏(おん)」というエリアは外の世界からは見ることができない。穏には春夏秋冬以外に神の季節である「雷季」という二週間ほどの季節が冬と春の間にある。雷季になると穏に住む人々は家に閉じこもり、外は風と…

夜市 --恒川光太郎

夏ですからってまだ梅雨ですが(笑)ホラー大賞ってベタな発想もありつつ、表紙に魅かれて購入。なかなか趣きのある表紙です。日本ホラー小説大賞というのでもう少し怖いストーリーかと思っていたのですが思っていたようなおどろおどろしいホラーものではあ…