吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

【あ行】の作家

想像力の地球旅行 --荒俣宏

想像力の地球旅行―荒俣宏の博物学入門 「BOOK」データベースより引用博物学は観察して目玉を楽しませる行為であり、記述する楽しみである。地球の上を実際に歩き、生きているモノを自分の目でみて確かめる。そこから、擬態や植物地理学、さらには進化論まで…

ボン書店の幻 --内堀弘

「BOOK」データベースより引用1930年代、自分で活字を組み、印刷をし、好きな本を刊行していた小さな小さな出版社があった。著者の顔ぶれはモダニズム詩の中心的人物北園克衛、春山行夫、安西冬衛ら。いま、その出版社ボン書店の記録はない、送り出された瀟…

神無き月十番目の夜 --飯嶋和一

「BOOK」データベースより引用慶長七年(一六〇二)陰暦十月、常陸国北限、小生瀬の地に派遣された大藤嘉衛門は、野戦場の臭気が辺りに漂う中、百軒余りの家々から三百名以上の住民が消えるという奇怪な光景を目の当たりにする。いったいこの地で何が起きたの…

果つる底なき --池井戸潤

「BOOK」データベースより引用「これは貸しだからな」。謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。死因はアレルギー性ショック。彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった…。坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊…

肝、焼ける --朝倉かすみ

「BOOK」データベースより引用歳下で遠距離恋愛中の彼氏に会うために、こっそり訪れた稚内。地元の人たちの不思議なパワーのおかげで、もやもやした気持ちが変化していく。「肝、焼ける」―激しいじれったさを表す方言が、真穂子を新たなステップに駆り立てた…

鍵穴ラビリンス --江坂遊

「BOOK」データベースより引用ご存知ですか?物語は圧縮すると結晶になるのです。ここに収められたのは56の短い物語。一つ一つは小さく、だけど、それぞれがキラキラ輝いています。ほら、鍵穴からそっとのぞくと、そこには目もくらむラビリンスが!伝説のショ…

海の底 --有川浩

「空の中」に続き、ようやく2冊目です。実は既に「塩の街」は勇気を出して古本屋さんで購入済みだったのですが積んだまま「海の底」を先に読んじゃいました。 「空の中」に比べ全体の展開が賑やかです。横須賀の米軍基地で行われていた桜祭りを突如巨大な甲…

雷電本紀 --飯嶋和一

相撲に関する小説やノンフィクションは読んだ記憶がなく、相撲もので思い出すのは、さだやす圭さんの「ああ播磨灘」という漫画と周防監督の映画「シコふんじゃった」くらいでしょうか。相撲のシーンを小説で読んでも面白くないと思ってましたが、なんてこと…

オレたちバブル入行組 --池井戸潤

「BOOK」データベースより引用大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が倒産した。すべての責任を押しつけようと暗躍する支店長。四面楚歌の半沢には債権回収しかない。夢多かりし新人…

脱ニッポン人生 自分の居場所の見つけ方 --大倉直

ブログを始めて思うことは、多分何もしなければ知り合うことがなかっただろう地域の人、違う職業の人、違う年代の人とお話しできることはなかったはずだ、と言う事です。ほぼ、本というフィルターを通して自分を語り、直接的に自分のことを語ることはないの…

汝ふたたび故郷へ帰れず --飯嶋和一

「BOOK」データベースより引用故郷とは、人に何をもたらす場所なのか?「読む者をリングに立たせる」と言われた迫力満点のボクシング小説でありながら、人と風土との関わりを深く見つめた傑作―故・江藤淳氏が選後評で「いつの間にか引き込まれていた」と語っ…

ブレイクスルー・トライアル --伊園旬

「BOOK」データベースより引用技術の粋をつくしたIT研究所に侵入し、ミッションをクリアすれば1億円が手に入る一大イベントが開催されることになった。元IT企業の社員チームや、ひょんなことから紛れ込んだダイヤモンド強盗犯グループなどが参加を表明。生体…

黄金旅風 --飯嶋和一

「BOOK」データベースより引用江戸寛永年間、栄華を誇った海外貿易都市・長崎に、二人の大馬鹿者が生まれた。「金屋町の放蕩息子」「平戸町の悪童」と並び称されたこの二人こそ、のちに史上最大の朱印船貿易家と呼ばれた末次平左衛門(二代目末次平蔵)とその…

安政五年の大脱走 --五十嵐貴久

「BOOK」データベースより引用安政五年、井伊直弼に謀られ、南津和野藩士五十一人と、美しく才気溢れる姫・美雪が脱出不可能な絖神岳山頂に幽閉された。直弼の要求は姫の「心」、与えられた時間は一カ月。刀を奪われ、逃げ道を塞がれた男達は、密かに穴を掘…

沖で待つ --絲山秋子

裏表紙より引用仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。そう思っていた同期の太っちゃんが死んだ。約束を果たすべく、私は太っちゃんの部屋にしのびこむ。仕事を通して結ばれた男女の信頼と友情を描く芥川賞受賞作「沖で待つ」に、「勤労感謝…

袋小路の男 --絲山秋子

「BOOK」データベースより引用高校の先輩、小田切孝に出会ったその時から、大谷日向子の思いは募っていった。大学に進学して、社会人になっても、指さえ触れることもなく、ただ思い続けた12年。それでも日向子の気持ちが、離れることはなかった。川端康成文…

2005年のロケットボーイズ --五十嵐貴久

1985年の奇跡で結構楽しめたのでその流れで読みました。リカで震え上がったのは置いといて(笑) 双葉社Webサイトより引用梶屋信介は都内の工業高校に通う17歳。ちょっとしたことから人工衛星をつくることになった。といってもそんなの絶対ムリ!なので仲…

ひねくれアイテム --江坂遊

ひそかに応援している作家、江坂遊さんの2冊目です。数少ないショートショートの作家さんで星新一さんの唯一の弟子なんです。48篇収められているのですが、前作の「仕掛け花火」程のインパクトはありませんでした。と、言うよりも「仕掛け花火」のインパクト…

逃亡くそたわけ --絲山秋子

講談社BOOK倶楽部より引用「どうしようどうしよう夏が終わってしまう」軽い気持ちの自殺未遂がばれ、入院させられた「あたし」は、退屈な精神病院からの脱走を決意。名古屋出身の「なごやん」を誘い出し、彼のぼろぼろの車での逃亡が始まった。道中、幻聴に…

イッツ・オンリー・トーク --絲山秋子

「BOOK」データベースより引用引っ越しの朝、男に振られた。やってきた蒲田の街で名前を呼ばれた。EDの議員、鬱病のヤクザ、痴漢、いとこの居候―遠い点と点とが形づくる星座のような関係。ひと夏の出会いと別れを、キング・クリムゾンに乗せて「ムダ話さ」と…

シャングリ・ラ(上・下) --池上永一

読む前は全く知識がなかったのですが、直前に読んだ「バガージマヌパナス」とは全く別の世界観で、ひたすらマンガ的、ゲーム的な作品でした。いい意味でも悪い意味でも。アニメ雑誌「ニュータイプ」で連載されていたんですね。ひと言で表現するとしたら「荒…

バガージマヌパナス --池上永一

「BOOK」データベースより引用「ワジワジーッ(不愉快だわ)」ガジュマルの樹の下で19歳の綾乃は呟く。神様のお告げで、ユタ(巫女)になれと命ぜられたのだ。困った彼女は86歳の大親友オージャーガンマーに相談するが…。あふれる方言、三線の音、沖縄の豊かな伝…

完本 直江山城守(愛と鬼謀の軍師) --井口朝生

BOOKデータベースより引用越後の虎・上杉謙信の薫陶を受け、その後継者景勝の股肱の軍師・参謀となった英傑の生涯を描く長編。青春時代、関ヶ原戦の駆け引き、宿命の女性、そして敗戦後、領地を大きく削られた米沢での苦心の名治世…。一度割愛された冒頭二章…

モダンタイムス[特別版] --伊坂幸太郎

講談社BOOK倶楽部より引用検索から、監視が始まる。漫画週刊誌「モーニング」で連載された伊坂作品 最長1200枚岡本猛はいきなり現われ脅す。「勇気はあるか?」五反田正臣は警告する。「見て見ぬふりも勇気だ」渡辺拓海は言う。「勇気は実家に忘れてきました…

空飛ぶタイヤ --池井戸潤

なぜかやたらと忙しい今日この頃、2段組500ページ弱のボリュームは躊躇したのですが、読んでよかったです。こんな時期だからこそ頑張る人の話は自分にとっても力になりました。睡眠時間はかなり削られてしまいましたが、それぐらいの価値は十分ありました。…

ユージニア --恩田陸

「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。犯人はいま、俺の目の前にいる、この人物だ――。かつて街を悪夢で覆った、名家の大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、遺された者たちの思い。いっ…

ノラや --内田百閒

村松友視さんの「アブサン物語」の感想で近日中に読むと書いてから随分たってしまいました。 「BOOK」データベースより引用ふとした縁で家で育てながら、ある日庭の繁みから消えてしまった野良猫のノラ。ついで居つきながらも病死した迷い猫のクルツ―愛猫さ…

リカ --五十嵐貴久

「1985年の奇跡」を読んで面白かったので2冊目なんですが、、、ビックリするじゃないか、もう!! 「BOOK」データベースより引用 妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。しかし彼女は、恐る…

古本道場 --角田光代、岡崎武志

フリーライター、書評家である古本の師匠、岡崎武志さんがテーマを出題し、それに則り古本初心者?角田光代がアチコチの個性豊かな古本屋さんに出向き色々な思いをめぐらしながら古本を購入し、古本道を極める過程が綴られる。そんな展開。 古本屋さんはほと…

兵法 孫子 戦わずして勝つ --大橋武夫

たまにはビジネスモードです。うちのような弱小が生き残るためには本書の副題にあるように「戦わずして勝つ」ことが肝要です。実際に「戦う」とか「勝つ」というのは言葉のあやで、いかに調整するか、関係者みんなが納得するか、という意味ですが。 競合する…